必ず1年に1回やる?プロ野球選手の契約更改とは
選手と球団が、翌年の雇用契約について協議することを言います。
選手にとっては、その年のシーズンの活躍・成績を評価され、給料が決まる場です。
プロ野球選手は個人事業主なので、1年毎に契約を締結する必要があります。
しかし、それだけではなく、球団とじっくり話せる1年に1回のチャンスととらえている選手も多く、球団への要望や改善してほしいことを話すこともあるようです。
他球団では「主催ゲーム後に提供される食事が菓子パンなのはいかがなものか」など過去にありました。(別に伏せる必要はないですが、元オリックス、横浜DeNAの伊藤光です)
ジャイアンツでは、2020年に引退した田原誠次が2018年契約更改交渉の場で投手運用の改善要望を出したというのが印象的です。
そんなわけで金額だけではない契約更改ではありますが、一番の目玉が金額であることには違いありません。
契約更改 複数年契約の選手はやる意味がある?
複数年契約と言えば「生涯巨人」を宣言した、みんなのキャプテン・坂本勇人。
坂本選手は「5年5億(推定)」で契約しましたが、毎年契約更改を行っています。これ不思議に思ったことはありませんか?
複数年契約は、球団との約束で正式なものではない?
実は複数年契約は、プロ野球の正式な契約ではありません。
球団と選手の“約束”です。
プロ野球の契約は、球団と選手だけで終わりません。
NPBの最高権力者・コミッショナーの承認を得る必要があります。(2022年現在のコミッショナーは第14代斉藤惇、東京証券取引所グループの社長です)
つまり、NPBは必ず1年契約。
これが締結されなければ選手は試合に出られません。
ちなみに上記で出した坂本選手は、5年契約で、数年固定・残りの数年は変動制を選んでいます。(後述)
では、さっそく2021年の契約更改、ジャイアンツの選手の年俸を……の前に、実際のところ他人の年収なんてどうやって調査しているの? というところからお伝えしていきましょう。
プロ野球の推定年俸は記者の努力・調査能力の賜物!?
「年俸いくら?」「5億です」みたいな会話が交わされるわけではなく、関係者への調査、本人の成績、記者会見とのやり取り、選手本人の絶妙な反応によって推測するのです。
「上がりましたか?」「●●円より上? 下?」「大台には乗った?」などなど、こんなやり取りが交わされていると思うと面白いですね。
あとは、タイトル獲得、成績により2倍、3倍になるといった長年の慣行によって金額を出します。
なので、実際には「合っているか合っていないか永遠にわからない」のです。
度々、現役を引退した選手が「推定年俸よりもらっていた」といったことをお話されることもあります。
ジャイアンツの年俸の発表は他球団とは違う?
元木大介コーチが以前に最高年俸は「2億」と発言していましたが、彼の最高推定年俸は「1億2千万円」。
8,000万円の差異がありますが、これは「出来高がついているだけ」「巨人の推定年俸だけ、手取り額で伝えられている」などいろいろ憶測されています。
代打も多かったので、わたしは「出来高」かなあと(勝手に)思っています。
ちなみに元ロッテの正捕手・里崎智也は取材で「合っている時も合っていない時もあった」と取材に応えていたので、結局推定は“推定”でしかないです。でも、目安にはなりますね。
2022年 読売ジャイアンツ選手の年俸ランキング
- 01位 菅野智之 32歳 60000 ▼20000
- 01位 坂本勇人 33歳 60000 △10000
- 03位 丸佳浩 32歳 45000 ±0
- 04位 岡本和真 25歳 30000 △9000
- 05位 マット・アンドリース 32歳 22700
- 06位 梶谷隆幸 33歳 20000 ±0
- 07位 中田翔 32歳 15000 ▼19000
- 08位 井納翔一 35歳 10000 ±0
- 08位 小林誠司 32歳 10000 ±0
- 10位 中川皓太 27歳 9500 △2000
- 11位 高梨雄平 29歳 7800 △800
- 12位 鍵谷陽平 31歳 7500 △1000
- 13位 山口俊 34歳 6000 △3000
- 14位 大城卓三 28歳 5500 △1000
- 15位 中島宏之 39歳 5200 △200
- 16位 戸郷翔征 21歳 4000 △1400
- 16位 松原聖弥 26歳 4000 △1800
- 18位 吉川尚輝 26歳 3700 △400
- 19位 畠世周 27歳 3630 △1430
- 20位 高橋優貴 24歳 3600 △1680
- 21位 アダム・ウォーカー 30歳 3400 ±0
- 22位 今村信貴 27歳 3000 ±0
- 23位 大江竜聖 22歳 2800 △600
- 23位 若林晃弘 28歳 2800 △600
- 25位 重信慎之介 28歳 2700 ▼100
- 26位 桜井俊貴 28歳 2160 ▼240
- 27位 戸根千明 29歳 2100 △300
- 27位 増田大輝 28歳 2100 ▼100
- 29位 立岡宗一郎 31歳 2000 △300
- 29位 高木京介 32歳 2000 ▼500
- 31位 田中豊樹 28歳 1900 △500
- 31位 廣岡大志 24歳 1900 △300
- 31位 石川慎吾 28歳 1900 ▼100
- 34位 北村拓己 26歳 1800 △300
- 35位 岸田行倫 25歳 1600 △100
- 35位 翁田大勢 23歳 1600 ±0
- 37位 平内龍太 24歳 1450 ▼150
- 38位 山﨑伊織 24歳 1200
- 38位 香月一也 26歳 1200 △500
- 38位 山田龍聖 22歳 1200 ±0
- 41位 鍬原拓也 27歳 1060 ▼260
- 42位 伊藤優輔 26歳 900 ▼100
- 43位 太田龍 24歳 880 ▼200
- 44位 湯浅大 24歳 800 △200
湯浅まで頑張ろうと思っていたんですが、湯浅、イメージよりも年俸が低かった。長い道のりでした。
ファンからすると石川慎吾の露出数と年俸の違和感がすごいんですが成績を見たらまあこんなものか……とは思います。
小林は露出とファン人気と、年俸と成績が合ってなくてバグります。わたしにとっては不思議な存在です。
坂本勇人・菅野智之・丸佳浩・岡本和真の【2022年推定年俸】
上位3名居酒屋解説しますね。
坂本勇人 33歳
- 推定年俸:6億円
2021年シーズン成績
- 出場数 :117
- 打席数 :487
- 打点数 :53
- 本塁打数:19
- 打 率 :.291
5年5億の契約ですが、4年目以降は変動制の5年契約を結んでいます。
ちょうど4年目。5億円は歴代遊撃手では最高額。そして、6億円は内野手では最高金額となりました。
これまでの貢献や、2019年シーズンにMVPを獲得していること、2021年はオリンピックでの活躍からこれぐらいもらっていても全然良いし、ファン心としてはホークスの柳田や楽天の田中の金額を見ると、もっと上げてよー!とも思いますが、実際のところはもっともらっている可能性大なので、柳田との差は誤差なのかも。
そして坂本の幼少期のチームメイトである楽天の田中。このクラスになるともはや選手の給料ではなく広告費として取扱われるのだろうなとため息が出ますね。
ちなみに同姓同名2021年の育成7位の坂本勇人(20歳)ですが、彼の2022年の推定年俸は370万円で、去年より10万上がっています。
先輩の坂本勇人は、その162倍。プロ野球の世界ってすごい。
菅野智之 32歳
- 推定年俸:6億円
2021年シーズン成績
- 登板数:19
- 先 発:19
- 完 投:2
- 勝 率:,462
- 防御率:3.19
今回の契約更改で最も下がり幅が大きかったのが、菅野です。
2021年、プロ野球史上最も高い年俸をもらっていたと言われる菅野ですが(楽天田中が9億で最高年俸更新)、2億円下がって6億円。
2億円下がって6億かよって感じですが、これまでの素晴らしい成績、そして名実ともにエースですから、ファン心理的には良いかなって感じです。
内海がずっと4憶もらい続けていた時は病んだので、さすがに来期は復活して欲しいところ。
丸佳浩 32歳
- 推定年俸:4億5000万円
2021年シーズン成績
- 出場数 :118
- 打席数 :457
- 打点数 :55
- 本塁打数:23
- 打 率 :.265
FAで入団、交渉材料に盛り込まれていた複数年契約です。ちなみに5年契約の3年目で、次が4年目です。
FA時の推定契約内容:契約期間は5年、単年4億5000万円、契約金・出来高含む年俸総額は推定25億5000万円。
目立った活躍はないけど、さすがのトッププレイヤー。坂本(1個上)、菅野、小林といった同世代の良い刺激で、若手には良い見本。大きな存在です。
(ファンにとっては人気選手だった長野を犠牲にした手痛いFAではありましたが……。)
何よりあんなに強かったカープから大きな柱を抜けたというのは大きい。
丸は当時、ジャイアンツ戦では特に打っていたので丸の今後の成績はどうあれ、丸という戦力をカープから引き抜けたことが最大の補強という自虐もありました。(私だけかもしれない)
うん、4億5000万円全然良い。全然ムカつかない。丸、すき。
岡本和真 25歳
- 推定年俸:3億円
2021年シーズン成績
- 出場数 :143
- 打席数 :592
- 打点数 :113
- 本塁打数:39
- 打 率 :.265
絶対に金額は言わないけど、記者とのやり取りで金額のごまかし方が下手そうな岡本。
9000万円増と、2022年ジャイアンツの中で最も給料が上がった選手です。打点と本塁打、すごいですね。
今の活躍を見ると、師匠である村田修一コーチ(当時の背番号25番、ポジション・サード)を追い出したのは正解だったのかなあとも思います。
わたしは村田修一のファンだったので、とても複雑だったんですが……。
個人的には好きでも嫌いでもない、松井に対しての感情と同じです。おまえの松井に対する感情しらねーよって感じですけど、とにかく打ってくれればそれでヨシ。
成績悪くなると居酒屋でぼろくそに言ってしまう選手ナンバーワンですね。ごめんなさい。でも4番とはそういうものでは?
新外国人、中田、梶谷、井納、小林の推定年俸
新外国人と中田はコメントしにくいですね。中田はもうめちゃくちゃコメントしにくい。梶谷はもう仕方ない。コメントしにくい。無能飛翔井納もコメントしにくい。(しにくい)
小林の1億は前述した通り、感覚がバグりますが、個人的には良いのではないでしょうか。
グッズの売上やファン人気、投手たちからの信頼、たまの覚醒、国際試合のバブルを考えたら……。小さいいろんな要素をかき集めて1億なのでしょう。
彼も複数年なので、ジャイアンツ女子たちが度々報道される「小林トレード」疑惑にしばらく怯えなくて良かったね、という気持ちです。
(内海や長野のことを考えると、放出はされないけどプロテクトされない可能性があるというのはハラハラしますが……。)